ミックスボイスを知らない人にどんな声かを説明するとき、私がよく例として挙げるのは「心配ないさ~!」です。そう、あの大西ライオンがやる「しんぱ~~い、ないさぁ~~!」です。アレはまさにミックスボイスです。アレを裏声を使わずに、同じ高さでマネしてみてください。もし、そっくりにマネが出来てしまったら、あなたは既にミックスボイスをマスターしているといっていいでしょう。音の高さでいうと、だいたい(hi C#/ C#5)あたりまで出せていることになります。おそらくB’zの「ねがい」や「ultra soul」なんかが原曲キーで歌えるはずです(…高さ的に)。
私もミックスボイスを習得するまでは、この「心配ないさ」を何度もマネしてみましたが、まぁ~できない!いくらやっても同じ高さを出そうとすると声がひっくり返ってしまうんです。それもそのはず、ミックスボイスを出すために必要不可欠な要素を知らなかったのですから仕方がありません。
その「必要不可欠な要素」については追って説明していくとして、ミックスボイスをマスターすると一体どの程度の高さまで出せるようになるのでしょうか。もちろん個人差はあると思いますが、私の場合は初めてミックスボイスを出せるようになった時の最高音は(hi D/ D5)でした。それから少しずつトレーニングを重ねて現在では(hi G/ G5)までは出るようになりました。私の裏声の最高音は(hi G#/ G#5)ですから、裏声もミックスボイスも音域にはあまり違いがありません。概ね(hi G/ G5)あたりが私のミックスボイスの限界ではないかと考えています。
人によってはミックスボイスのままで(hihi A/ A5)以上の高音も出せるようですが、残念ながら私にはできそうにありません。(hihi A/ A5)以上の高音を出すには、通常、「ホイッスルボイス」と言ってミックスボイスとはまた別の発声方法をマスターする必要があります。
ちなみに、大西ライオンの他にミックスボイスを出している有名人といえば、もう中学生やクロちゃん、さかなクンがいますね。歌ではビージーズ(Bee Gees)の「ステイン・アライヴ STAYIN’ ALIVE」あたりが分かりやすいと思います。下の公式PVで確認してみてください。
隣は私の地声、裏声、ファルセット、ミックスボイスです。私のミックスボイスと聴き比べてみて、どうでしょう。声の高さは全然違いますが、声質が同じだというのが分かるでしょうか?聞きなれないうちは裏声とミックスボイスの区別がつかないかもしれませんが、まったく別物なんですよ。